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パンの知恵袋

パンの知恵袋

パンの値上りについて

近年、人口増加や地球温暖化などの影響から、小麦をはじめとする食料品の値上がりが世界的な問題となっています。
さらに日本では2006年食糧法の改正にともない、2007年4月より輸入小麦の売渡価格が相場連動制に移行したことで、以前に比べて国際相場からの影響をより強く受けるようになっています。
こうした状況を受け、製パン会社の中では色々と状況の変化が生じてきました。

今回のパンの状況変化の背景には、小麦やイースト、乳製品などといったパンの主原料が軒並み値上りしていることが大きく影響しています。ここでは、各原料価格の現状についてお伝えします。

小麦

現在の世界的な小麦価格の上昇には、おもに以下の3要因が関わっています。

世界的な穀物需要の増加

経済成長が続く BRICs(※1)諸国や発展途上国などにおいて、いま人口の増加や食生活の欧米化が進んでいます。そのため小麦などの穀物消費量が急激に増加していることが、小麦価格の上昇に影響しているといわれています。

バイオ燃料の需要拡大

近年、とうもろこしやなたね、さとうきびなどを原料とする バイオ燃料(※2)の需要が世界的に拡大しています。その影響で、アメリカを中心に小麦畑からとうもろこし畑などへの転作が進んでおり、結果的に小麦の生産が減少しています。

地球温暖化による気象異常

地球温暖化の深刻化にともない、いま世界中で異常気象や干ばつなどが多発しています。なかでも小麦の輸出大国であるオーストラリアでは昨年から大干ばつが発生しており、小麦の市場価格に深刻な影響を与えています。

これらの要因から、パンの需要が高まる一方で小麦の栽培・収穫が世界的規模で減少しているため小麦の価格は上昇し、パンを取り巻く状況に多大な影響を与えていることがわかります。

イースト砂糖

バイオ燃料の
需要拡大

いま世界各国ではバイオ燃料の需要が拡大しており、バイオ燃料の原料であるさとうきびなどの価格も上昇しています。その影響で、同じさとうきびから作られる砂糖やイーストの原料である糖蜜も値上がりしています。

油脂

穀物・バイオ燃料の
需要拡大

油脂は、おもに大豆やなたねなどから作られています。これらの原料は現在、世界的な穀物需要の増加やバイオ燃料への転用などの理由から価格が上昇しており、油脂の価格を押し上げる要因となっています。

乳製品

乳製品用の牛乳不足

製パンに欠かせない脱脂粉乳やバターなどの乳製品が、いま値上がり傾向にあります。そのおもな理由としては、日本では飲料用牛乳の生産過剰により乳牛を減らす措置がとられた影響で、乳製品に必要な牛乳の生産量まで減少していることが挙げられます。

包材

原油価格の高騰

値上りの波は、パンの包装にも及んでいます。パンをつつむ包装には、石油や紙などを原料とした包材が多く使われていますが、近年の原油価格の高騰や資源減少による紙の値上がりなどの影響もあり、包材コストが増加傾向にあります。

(※1)BRICs:
経済成長が著しいブラジル・ロシア・インド・中国の市場発展国の総称。
(※2)バイオ燃料:
とうもろこしなどの植物から作られる燃料。理論上では、バイオ燃料を消費しても植物が吸収した分のCO2量しか排出しないとされており、石油に代わる“環境にやさしい”エネルギーとして世界中で利用が進んでいる。
(※1)BRICs:経済成長が著しいブラジル・ロシア・インド・中国の市場発展国の総称。
(※2)バイオ燃料:とうもろこしなどの植物から作られる燃料。理論上では、バイオ燃料を消費しても植物が吸収した分のCO2量しか排出しないとされており、石油に代わる“環境にやさしい”エネルギーとして世界中で利用が進んでいる。

日本で売られているパンはこれまで四半世紀もの間、一度も値上げされていないそうです。
しかし、いまや小麦を含めた食料品の値上がりは世界各国で深刻化しており、日本においても、その影響はもはや製パンメーカーなどの企業努力だけでは補い切れないところまできているようです。
しかし、食の安心・安全という観点からも、小麦の質の低下や品質管理体制の縮小などといった安易なコスト削減だけは、何としても避けなくてはいけません。

近年における食料品価格の上昇には、地球温暖化や人口の増加など、いずれも日本だけではなく世界中の国々が協力して取り組むべき課題が深く関わっています。パン業界ではこうした課題にも真摯に取り組んでいくとともに、今後も変わらず高品質でおいしいパンのご提供に全力で努めていきたいと考えています。

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