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パンの知恵袋
日本のパン事情
知ってください、パンのこと。
子供から大人まで、みんなに親しまれているパン。
いまや、パンは私たちの食生活に欠かせないものとなっています。
ところでみなさんは、パンが食卓へ届くまでに、
たくさんの人々の努力が関わっていることは、ご存知でしょうか。
質のよい小麦の輸入から、安全性を第一に考えた品質管理、
おいしさを追求した商品開発・・・
そこには「安心でおいしいパンをお届けしたい」という、
パンに携わる人々の一途な想いがこめられています。
これからもおいしいパンを食べていただくため、
みなさんに知ってほしいこと。
私たち、パン食普及協議会がお話しします。
現在、日本のパンには主に外国産の小麦が使われています。その理由は、パンを膨らませるのに必要なグルテンの量に違いがあります。
小麦粉に水を加えて捏ねると、小麦タンパク質の主成分であるグルテニン、グリアジンがグルテンという粘り気のあるものを生み出します。このグルテンがふっくらしたパンを作るときに欠かせません。
外国産の小麦は日本の小麦に比べてタンパク質の含有量が高く、グルテンの量も多くなるため、パン作りにより適しているのです。
近年ではグルテンを多く含む国内産小麦も開発されていますが、外国産小麦に比べるとコスト面や生産面でまだ課題が多く、いまは外国産小麦が主流となっています。
輸入された小麦は全量政府が買い上げて、各種検査を経て製粉会社に売り渡されます。そして製粉会社で小麦粉に製粉された後、各地の製パン工場や給食指定工場、ベーカリーなどへ運ばれ、厳しい品質管理のもとでパンが作られます。
また、品質管理の徹底は包装にも及んでおり、店頭に並ぶパンには、生地のやわらかさや水分含有量など各パンの特性に合わせた包装が施されています。
街のベーカリーやスーパー、学校給食など、普段いろいろな場所で見かけるパンは、このように多くの人の手を経てみなさんのもとへ届けられているのです。
業界を挙げた安全への取り組み
パンの流通・製造にあたっては、食品衛生法などの各法に基づく検査に加えて、パン業界が独自に導入を進めている安全管理システムもあります。その代表的なものが、「AIBフードセーフティ指導・管理システム」です。
「AIBフードセーフティ指導・監査システム」とは
パンの分野において世界でも豊富な経験と実績をもつAIB(米国製パン研究所)が定めた「AIB食品安全統合基準」に沿い、食品工場の指導・監査を行うシステム。アメリカをはじめ世界中の食品工場で導入されており、書類による監査よりも、整理・整頓やしつけなどの現場指導を重視していることが大きな特長です。
このシステムは、製パン技術者を養成する(社)日本パン技術研究所により、各製パンメーカーへ積極的に導入されています。
安心・安全なパンの未来へ
安心・安全でおいしいパンをお届けすること。それが、いつの時代も変わらず私たちが大切にしている想いです。その想いを胸に、製パンメーカーやベーカリーなどパン作りの現場では、厳しい品質管理や生産技術の改良といった努力が日夜続けられています。
また、私たちパン食普及協議会においても、パンに関する正しい情報発信をはじめとするさまざまな取り組みを通して、パンの普及に努めていきたいと考えています。